ジブン手帳×dünnレザー:薄さと機能性を両立させたアイデア満載カバー開発の裏話対談

きっかけは友人のアイデアから

「dünn dual notecover for ジブン手帳」、ついに完成しましたね!実は最初のきっかけはDIALOG NOTEBOOKのタカタクさんがメッセージしてくれたことだったんですよね。

そうそう、タカタクさんがFacebookのメッセンジャーで「見て見て見て」って送ってくれて。最初は「またタカタクさんがやってるよ」って思ったんですけど(笑)、実際に見てみたら「これはすごいアイデアだな」と。

両方外からノートを入れて一気に見るっていうカバー自体のアイデアは昔からあるものなんですけどね。ダイアログノートさんも手帳(TAGBOAT PLANNER)を出されましたから、日付入りカレンダーとメモを一緒に見たいっていう要望があったっていうのはあります。


手帳カバー作るなら安定のdunnレザーですからね。紙のように薄くて。これだったら間違いないなと思って。でも何より、僕はアイデアがあるものが好きなんですよ。これを見た時に「うわ、観音開きいいじゃん」ってなって、惚れました。

日付とメモを同時に見たいから、ジブン手帳でも作ってみたいなっていう発想になったのは自然な流れでしたね。

そうなんですよ。「あれ、これジブン手帳でもできるんじゃない?」ってなったんですよね。ちょっと色気を出しちゃいました(笑)。ただ、サンプル見た時に、A5スリムよりB6スリムの方がしっくりきたんですね。って言うのも、大きいとその分閉じた時に上下にグラグラするのが大きいんですよ。動画がないと説明難しいですけど。だからダイアログノートみたいな小さいノートの方が向いているんだなと。

もともと3冊分(ジブン手帳・IDEA・LIFE)を同時に開きたい欲求って、最初からあったんですか?

私はなかったですけどね。ただ10年前くらいからユーザーさんの中に、2冊、例えばウィークリーとIDEAで同時使いしたいという要望はありました。でも当時はカバーよりも中身をよくすることに必死で、具体的には進められてなかったです。

それが10年経って急にできるかもってなったわけですよね。タカタクさんのアイデアのおかげで。

ですね。タカタクさんには足を向けて寝られません。コクヨさんにも足を向けて寝られないので、股裂けますね(笑)

今年売りたいって佐久間さんが言い出したのが確か7月ぐらいで、「え、今からモノづくりするって無理じゃない?」みたいなスケジュールでしたよね。だから絶対にDIALOG NOTEBOOKさんのやつのコピーというか、ジブン手帳のサイズにする、ぐらいの変更じゃないと無理ですよって話をしてたんだけど、「ペンが入れたい」とか「ぐらぐらするのをなんとかしろ」とか言うんですけど(笑)。それをいろいろ現場と一緒にやり取りしながらやって、今回完成したのがこれです。

いやいや、本当に無理を言いました(笑)
革新的な「フラップ」構造


このベロの部分について、なんか名前つけましょうか?

妖怪人間とか(笑)

プロモーションで使うにはちょっと...(笑)フリップとかフラップとかになるのかな?

(スマホで辞書を調べながら)フリップは「ひっくり返す」「パッと裏返す」「軽く投げる」、フラップは「パタパタ動く」「羽ばたく」「ふたとして覆う」と出てきました。飛行機の補助翼もフラップですね。

フラップでいいんじゃないですか。

ですね。右側にこのフラップをつけたことで、グラグラせずに、カバンの中に安心して入れられますね。ほんと、びっくりするほど安定しますね。

めちゃくちゃいいなと思って。最初このフラップ部分がない時に、両側に2冊入れてみた時に、安定感が悪かったじゃないですか。DIALOG NOTEBOOKは小さいノートだからよかったんですけど、ジブン手帳サイズだと「これ難しいな」っていうところが確かにありました。

止める方法として、マグネットという選択肢もありましたね。私、マグネットLOVEなんですよ。

開発時間もめちゃめちゃ限られてる中で、さすがにマグネットは勘弁してくれと(笑)。で、フラップを取り付けるアイデアが出て、もうこれしかないなと。アイデアはサンプルを見てもらったギフショナリーデルタの前田さんに出してもらって。このフラップの構造自体は、うちの革職人さんが昔ブックカバーで実際やったことがあったんですって。15年ぐらい前によく売れた時代があって、カバーの右側の部分がばーっと出てて、どんな大きさでも厚みでも入れられますよっていうのがあって、当時たくさん作ったって言ってました。

前田さんにも革職人さんにも感謝ですね。そもそも、なんでこれが実現できたかっていうと、両方から挿せるからなんですよね。


そうなんですよ。片方だけ閉じてたらフラップは刺さらないですからね。結果、両方から刺さることによってこのフラップが生きたっていう。
デザインと機能の絶妙なバランス

私が最初に想像してたのって、革でくるんで止めることで安定感と美しさを両立する感じだったんですよね。手帳の背の部分が持ち運び時に見えるのもスマートじゃないから隠したくて。でもそうすると革の面積がかなり必要になって、価格がかなり高くなると聞いて、諦めようと思ってたんですね。でも、このフラップの大きさだけでそれを叶えてしまうっていうのが、感動しましたね。このおかげで、マグネットじゃなくてもこんなに気持ちいい止まり方をする。すごい完成度だなと思います。


ありがとうございます。実際、これ左にレギュラーを右にLIFE入れてますけど、フラップがなかった時にやっぱり2冊の境目が見えて、ちょっとデザイン的じゃないなという部分と、2冊入れた時に微妙にちょっとずれてしまうっていうのがあったけれども、このフラップがあるおかげですごくしっくりきますよね。

ですね。そもそもジブン手帳は純正カバーが少ないんです。なので、「革カバーが出る!」と言われた時にユーザーの方がイメージする革カバーって、普通の構造、つまり 一冊だけを包むオーソドックスなタイプ だと思うんです。でも、いきなり「両側に差し込んで広げて使えますよ」という仕組みで出すと、「え、そこから?」と戸惑う部分があると思ったんです。「普通の欲しいのに」みたいな感情が生まれるかなと。なので、一冊でもちゃんと使えるようにもしたかったんです。もちろん余裕があるなら、普通の革カバーと今回のと両方作るのですが、時間もないし、商品数が増えるし、かなり大変ですよね。その点、この構造なら 一冊使いでも対応できる。それが実現できたのは、すごく嬉しいことでした。

DAYSもありますからね。DAYSはこのサンプルには単冊で入ってます。


マグネットだとコストもかかるし、デコボコしちゃうし、考えたら今のこのフラップを中にスッと収めるという構造にするだけで実現する分けだから、本当にいいアイデアでした。しかもペンも入れられて大満足です。

1冊の時はここに右側のフラップを折り畳むんですね。2冊差し込む時は中央にペンを置けばいい。この中央にペンを置くところに構造物を入れようとか、いろいろ議論をしましたけど、結局ちょっと窪みがあるから落ちないんですよね。3点でちゃんとホールドされるから安定する。最初はペンホルダー的なものを中につけて引っ掛けを作ろうかって言ってましたけど、全然落ちなかった。

ペン先が出た状態にしないとか工夫は必要ですけどね。2冊使いの時は中央にペンを置いてすっと綴じれば十分。この形でもういいなと思って。


このフラップ部分にペンを置いた時に落ちないかとか、端に引っ掛けがあった方がいいのかとか、デザイン的におかしいとか、機能的に手帳が入りづらいとか、そういうディスカッションもしてましたけど、いい感じに収まりそうですね。

フラップにステッチは入るのか入らないのかとか、そういう議論もありましたね。(最終製品ではフラップ部分にはステッチは入りません)この差し込む部分ですけど、やっぱりステッチがないのがいい。ステッチがあると、親指にステッチが当たって意識が革ではなくステッチに行っちゃうんですよね。革の良さを存分に味わうにはステッチは不要です。

これはもうぜひ、ステッチなしで。dunnで作ってる名刺入れのCARDRIDGE(カードリッジ)もステッチなしで長く使えますからね。佐久間さんといえばカードリッジの名付け親ですからね。

懐かしい(笑)
一生使える手帳と、使い方の工夫

てちょけんのオフ会の時ですよね、10年以上前。ジブン手帳もリリースから10年以上。やっぱり続けるって重要ですよね。そう考えると、長い間関係があって、今回やっと一緒にモノづくりができて嬉しかったです。

本当に長い付き合いですね。そうそう、10年で思い出したんですが、今年で10年目の「ジブン手帳パーフェクトガイドブック」の話させてもらいたいんです。今年でひと区切りつけたんですけど。ただ、ユーザーの皆さんに安心していただきたいのは、ネタ切れとか人気がなくなったとかで辞めるわけじゃないんです。少しだけお休みするということ。ユーザー的には毎年出してくれるのがいいんでしょうけど、手帳術って1年で終わりの術じゃないじゃないですよね。過去のガイドブックを見直してもヒントがあるわけで。「これは確かにいいな」とか「今の自分のライフスタイルは5年前のガイドブックに載っていたのが合ってた」とかあっていいと思うんですよね。だからぜひ過去のも見てほしいなと思います。

10年間で佐久間さん自身のライフステージもかなり変わりますからね。変わりすぎちゃって。実は、手帳本体の使い方見本を見ると佐久間さんの気持ちの変遷がわかるようになってるじゃないですか。

書き方見本に書いたのは今の私の感情みたいなものですからね。でもこうやって実際にLIFEと同時に使えるとかすごくいいなって思うんですよね。ジブン手帳の口コミを見ると、LIFEを使いたくてジブン手帳を買ったっていう人もいたりして。やっぱりジブン手帳のコンセプトが「一生使える」っていうのがよかった。そのコンセプトを最初にちゃんと決めといてよかったなと思います。

DAYSにはLIFEはついてないので、今回のカバーだと、DAYS自体が分厚いから1冊使いしかできないんですけどね。

あ、ちょっと待って!これ、頑張ったらDAYSと一緒にLIFEも入りませんか?

(・・・作業中)だいぶ太るけど、できますね。これ面白い!もしかして、ノートを両側で使わないという考え方もあるかもしれませんね。片面だけで使うっていう。


うわ、面白い!アイデアですね。

例えばレギュラーとIDEAの2冊使いで、左側は普通に手帳カバーに入れるんだけれど、右側だけ外から入れるとか。開いた状態でウィークリーにメモするんだけど、右側からIDEAを重ねて、見える部分にしか書かないっていう使い方。こうすると開いた面積は狭いから、電車の中とか狭いテーブルのカフェとかでも使えるけど、ページが1ページ増えたみたいな感じですよね。いい感じです。


確かに。

いいじゃないですか!こうやって両方使えることができるから、いろんな使い方ができますよね。ユーザーさんの工夫で。
カラーバリエーションと価格について


今回カラーの選定についてはユーザーさんにXでのアンケートにたくさんご協力いただいて。3色4種類で展開予定です。ブラックに関してはステッチを黒と赤の2種類にするんですね。

最初は黒と白の2色にしようとしたんですよ。佐久間さんが「ジブン手帳と言えば白だから白は絶対作りたい」って言うと思って。でもあえてそこは妥協されたというか白はいいやってなったのはびっくりしました。

ジブン手帳=白なのは透明カバーをカスタムするためにしているところもあるので、革カバーだとどうかなと。

4色のうちどれがいいですかってアンケートを取って、結果的に2色に絞りましょうってことになりました。やっぱりピンクとか暖色系の要望も強かった。一部の熱狂的な意見もあるじゃないですか、グリーンとかオレンジとか。そんな中で要望をどう満たそうかなと思ったんですけども、この黒に赤のステッチがめっちゃ映えるんですよ。これまたかっこいいんです。

私も黒に赤が好きなんですよね。高校の時に黒いストレートパンツに赤いステッチが入っていたのを手に入れた思い出があります。今もオーダージャケットのボタンホールは赤にしてもらっています。

そんな過去が(笑)。でも実際にサンプルとして上がってきた、モカブラウンもスカイブルーもとってもいい色ですね。今回の価格設定についてですが、大きい方で15,400円、小さい方で13,200円。クラウドファンディング的に、dunnのサイトで先行予約期間を取るので、その期間は15%OFFで提供する予定です。

15%OFFってめちゃくちゃ安いですよね。採算大丈夫なんですか?

頑張りました(笑)。でもせっかくのプロジェクトなので、少しでも多くの方に手にとっていただきたいと思っています。

革ってしっかり保護してくれるけど分厚くなって重くなるのがネックですが、このdunnレザーは全くそれを感じさせないのが衝撃です。ネットだとなかなか伝わらなくて、手に取って見ていただけたらなと思うんですけど。どこかで触る場所があったら最高ですね。

せっかくのご縁だから、ギフショナリーデルタさんに頼みましょう(笑)
ユーザーへのメッセージ

最後に、ユーザーさんにメッセージがあれば。

第一弾なので、一番ミニマムなものを作ろうかなと思ったんですけども、結構いい感じに基本を叶えてくれるものができたと思うんです。逆に、ユーザーさんがこの薄い革を使ってもっとこういう機能があったらいいのになとか、そういうアイデアがあったらぜひ聞きたいですね。

こんな使い方してるよとか、そういうのも聞きたいし、ぜひSNSでその辺上げてもらってもいいかなと思うし、佐久間さんが見ると思いますので、ぜひコメントください。#ジブン手帳 つけていただけると見つけやすいかなと思います。

よろしくお願いします。ありがとうございます。
